こちらの記事では、クレランと呼ばれる蒸留酒について紹介します!
クレランとは?
クレランとはハイチ共和国で作られているサトウキビが原料のお酒のことです。
お酒でもアルコール度数の強い、蒸留酒に分類されます。
熟成をしないので、草や自然の風味が強く残る為、アグリコールラムに近い味わいです。
ハイチはカリブ海で三番目に大きい国で、人口はカリブ海で最も多い1000万人が暮らしています。
カリブ海で最も早く列強国から独立を果たしましたが、内乱で治安はよくない状況が続いております。
国民の半数以上は農業で働いているのですが、その大部分が小規模の農家による生産の為、生産性がかなり低く自給率が間に合っていない状況です。
その反面、ハイチの一番の生産品のコーヒーは、手作業で手間をかけた野性味を含んだ味わいが、世界中でとても人気です。
クレランはそんなハイチで独自の製法で生まれたお酒なので、ラム酒とは異なる名称になっています。
そしてなんと、クレランを作っている蒸留所は500箇所にも及ぶといわれています。
クレランの独自の製法
クレランはどのようにして作られているのか?
その製造方法を見ていきましょう!
クレランはハイチの地元でとれたサトウキビを手作業で収穫するところから始まります。
手で収穫するということは、本当に大変な重労働。。
その収穫したサトウキビを水牛等の動物で運搬する。
そして、収穫したサトウキビを絞り、その絞り汁100%が原料となります。
次に発酵を行うのですが、土着酵母を採用しているので、蒸留所ごとに全く異なる風味が生まれます。
土着酵母はいわゆる天然酵母で、蒸留所に付着している酵母等を結果的に使用していることになります。
そして、最終的に発酵したアルコールをポットスチルで蒸留して完成です。
クレランの特徴は、ほとんどの工程を手作業で行っている。
そして、蒸留所ごとの土着酵母を採用しているので、風味が 草 のような自然な味わいになる点です。
はたから見れば生産性は確かに悪いかもしれませんが、伝統を守るハイチの蒸留酒の味は唯一無二の味わいに仕上がっています。
クレランを飲んだ感想
クレラン・カシミール / Clairin Casimir
クレランは絞り汁をそのまま使用するので、収穫年によって味わいが異なります。
クレラン・カシミールは、ミフォバート・カシミールさんが自家栽培したサトウキビを使用し、蒸留しています。
特徴はシナモンやレモングラス等を発酵時に入れているので、独自の芳香があります。
この独自の芳香は、分かりやすく言うとバーベキューソースのような香りで、アグリコールラム特有の草や自然のような味わいがありました。
他のアグリコールラムにはない、野性味あふれる味わいが広がりました。
アルコール度数が高かったので、個人的にはストレートで味わうよりもカクテルやステアで飲んだ方が美味しかったです。
味の濃い料理やスパイスがきいた料理とは相性が個人的にはいいと思い、ハイボールでも楽しみました。
あとは、キューバニートのようなトマトを使ったカクテル、またはクラマトジュースで割って飲むとバランスが取れて美味しく作ることができました。
こういう伝統あるお酒は、過去のラム酒を飲むようなタイムスリップを体験できるので(昔のラム酒は飲んだことないのですが)、冒険心のあるかたにとってはおすすめします。
また、クレランをラム酒の一般的な甘い特徴でイメージしていると、恐らくイメージが異なったと思う人が続出すると思います。
あくまでクレラン・カシミールを一つのジャンルとして購入することをお勧めします。