というわけで、今日はカリブ海に浮かぶバルバドス島のラム酒、Mount Gayについてを紹介します!
また、マウントゲイを実際に飲んだ感想もしていますので、ラム酒選びの参考になれば幸いです。
マウントゲイとは?
イギリス系ラム酒の代表のひとつで、バランスのとれた味わいがとても魅力的で、ラム酒の中で最も歴史のあるブランドです。
カリブ海に浮かぶバルバドスという、島全体がサンゴ礁で出来ている島国で、マウントゲイはつくられています。
世界最古のラムの蒸留所。1703年からの古い歴史
世界中で残っている証拠書類のうち、マウントゲイが所有する1703年の資料が、ラム酒界では最も古いです。その為、正式に世界最古のラム酒の蒸留所として、広く知れ渡っています。日本では、マウントゲイは知名度はそこまで高くない印象です。
ちなみに、1703年というと、日本では有名な【忠臣蔵】が起きた江戸時代です。もし、江戸時代から続く蒸留所が日本にあったら、きっと国民の誇りですよね。
マウントゲイの名前の由来はある人物から
バルバドスのギルボア山に、マウントゲイ蒸留所はあります。
元々は1700年代後半ソーバーという人物が蒸留所を経営していましたが、最終的にラム酒事業を管理していたソーバーの友人、ジョン・ゲイ・アレイン卿に敬意を表してマウントゲイの名前になりました。名前を変える時に、マウントアレインという名前は、既に他の場所使用されていたので、ミドルネームを採用したそうです。
ジョン・ゲイ・アレイン卿 かなりの功績をラム事業で納めたという記録は、公式サイトにも記載があります。
バジャンラム Bajan rums
バルバドスで作られているラム酒は、バジャンラムと呼ばれています。バジャンとはバルバドスを意味しています。
バジャンラムは単式蒸溜機と連続式蒸留機で蒸留したラム酒を混合し、味のバランスがよい特徴があります。
バルバドスには、マウントゲイ蒸留所 / フォースクエア蒸留所 / ウエストインディーズ蒸留所があります。
代表的な銘柄は マウントゲイ / ドーリーズ / コックスパー / フォースクエア あたりで、これらがバジャンラムです。
マウントゲイの特徴
マウントゲイの生産過程ではどういった特徴があるのかを見ていきましょう。
サトウキビ
バルバドスは世界で唯一サンゴの島で、サトウキビを栽培している島です。そんな、バルバドス島で育つ最高品質のサトウキビから精製された、糖蜜(モラセス)を使用しています。
100年以上昔は島内に、40以上サトウキビ精製所があったようですが、現在はバルバドスには1つしかない為、輸入に頼っている状況です。しかし、品種はバルバドス原産のみを使用しているので、バルバドスのサトウキビといえるでしょう。
水
サンゴ礁の島だけに、水が特徴的といっても過言ではありません。バルバドス島がサンゴの石灰石でできており、そのサンゴが天然のフィルターとして機能しています。そして、最終的に三回、濾過をした純水をラム酒に利用することになります。
この原料として使用している、水だけでも美味しそうですよね。沖縄でも水道水が復旧する前は、雨水をサンゴで濾過した水を飲んでいたというぐらいですから、サンゴが与える水への良い影響は非常に大きいと言えるでしょう。
発酵
何世紀もかけて作り上げた、マウントゲイの独自の酵母(イースト)を使用して発酵を行います。モラセスと純水を、屋外の発酵タンクでバルバドスの空気にふれさせて発酵をさせています。この工程が、マウントゲイの優雅な香りにつながっています。
蒸留機
昔は、ラム酒伝統の蒸留機【ダブル・レトルト・ポットスチル】で蒸留した原酒のみを使用していましたが、1900年代以降は銅製の連続式蒸留も使用しています。樽はホワイトオーク樽を主に使用し、前にアメリカンウイスキーが入っていた樽を主に使用しています。
ブレンド
マスターブレンダーが最後に味を調整します。
ここでは2人のマスターブレンダーさんを紹介します。
トルディアン・ブランカー氏
2019年から就任した現役のマスターブレンダーさんです。
シカゴの醸造学を専門とする【Siebel Institute】、蒸留と醸造学を専門とするロンドンの【Institute of Brewing & Distilling】を卒業し、
2014年に品質管理のマネージャーとして、マウントゲイに加わり、前任マスターブレンダーの、Allen Smith氏の知識や技術を吸収して現在に至ります。
アレン・スミス氏
2010 - 2019年の間マスターブレンダーを務めました。
【マウントゲイブラックバレル】と【マウントゲイ1703】を誕生させた偉大な方です。
マウントゲイに入社したのは1991年からで、20年以上にブレンドや熟成に携わっています。
以前のマスターブレンダー、J.エドワーズ氏の元でマウントゲイ・エクストラ・オールドのブレンドを補佐した経験もあります。
銘柄
ECLIPSE (old bottle)
マウントゲイの銘柄の中で、エントリーモデルはこちらのECLIPSE(エクリプス)です。
1910年に起きた皆既日食とハレー彗星の通過という2つの現象が、エクリプスの誕生に影響を与えた為、ECLIPSEの名前がつきました。
辞書で調べると、「日食」や「月食」など天文現象における「蝕」を意味する英語とでてきます。
2年から7年熟成した、単発式と連続式蒸留機で蒸留したラム酒をブレンドしています。
価格は2000円ほど+送料で購入可能です。
ストレートやロックなどでも味わえますが、XOやブラックバレルに比べるとやや若い印象が隠せないですね。
しかし、世界最古のラム蒸留所の銘柄だけあって、味のバランスが絶妙です。
2000円程の価格帯でしたら、ECLIPSEを基準に他のラムと試してみると個性が分かりやすい。
また、この一本で、炭酸系からジュース割りのカクテルまで幅広く使用できるのでおすすめです。
ただし、甘さの特徴がなく、さわやかな花の印象の方が強いので、ラム酒=甘いのが好きな人には向いていないです。
BLACK BARREL(old bottle)
ダブルポットスチルと連続式蒸留機で蒸留した原酒を熟成、さらに、内側を焦がしたバーボンオーク樽で再熟成させ、ブレンドしたスモールバッチのラム酒です。
Mount gay のXOやECLIPSEに比べると、少しドライでスパイシーな特徴に仕上がっています。
芳香はりんご等の果実系のよい香りが楽しめます。
Black Barrelはバーボンオーク樽を焦がしている為、味にコクがあります。
そしてなんといってもハイボールに合う!どんな食事にもあうバランスのとれたハイボールですね。
最近はニューボトルがでていますが、個人的にはこのOLDボトルが好きかもしれません。
ネット等でこのボトルを見かけたら是非味わってみてください。
XO extra old (old bottle)
7年から15年物の原酒をブレンド。
ケンタッキー・オーク樽で熟成させたラム酒。
ECLIPSEがより丸く優しくなった印象ですが、熟成年数が多い分、味わいの深さが増しています。
ECLIPSEより若干の甘さがあり、香りもスパイスやバニラが加わり、香りだけでも、ずっと味わっていられます。
ブラックバレルとECLIPSEにはない長い余韻があり、この贅沢な余韻は、ストレート、ロックで楽しめます。
そして、XOもバジャンラムの特徴である味や香りのバランスが非常に優れています。
このバランスは個性がない意味でのバランスではなく、特化した個性がうまく調和された感覚に近いので、カクテルベースにしても個性が消されず、純粋に美味しいカクテルをつくれます。
価格は6000円ほど+送料なので、決して安くはないと思いますが、本当に強くお勧めしたい一本です。
まとめ
以上マウントゲイの紹介でした。
・国:バルバドス
・蒸留所名:Moung Gay
・銘柄:ECLIPSE / BLACK BARREL / XO / 1703
・会社:レミーコアントロー
追加情報なのですが、映画007のカジノロワイヤルという作品で、ジェームズボンドがマウントゲイのソーダ割を注文しています。
知っていると、思わずニヤリとしてしまうシーンなので、ぜひ見てみてください。
【参考にしたWEBサイト】
マウントゲイの公式サイト:https://www.mountgayrum.com/
Wikipedia : https://en.wikipedia.org/wiki/Mount_Gay_Rum